2023.07.24

昆布はどうして沖縄へ?知られざる昆布ロードの歴史

沖縄料理によく使われる昆布ですが、昆布はご存知の通り、東北や北海道などの寒い海でしか採れませんので 沖縄県産の昆布というものはありません。

ではどうやって沖縄に来たのでしょう? そしてどうやってこんなにも沖縄に定着したのでしょうか。

皆さんは「昆布ロード」はご存知でしょうか? 今回は知られざる昆布ロードの歴史について簡単にお話したいなと考えております。

まず先程も申しました通り、昆布はもともと北海道や宮城県以北の寒い地方の食べ物です。 ですので他の地方へ昆布がもたらされるには、何かしらの輸送ルートが形成されます。
昔は陸路がなかったので海を使っての輸送がメインでした。海路は古くは日本海側で、最も古いルート としては北海道の松前から北陸の日本海側への航路が開発されました。これが7世紀から8世紀頃と言われております。 
海路が活発になってきたのは鎌倉中期以降には、北海道の松前と本州の間を、盛んに行き交うようになりました。昆布が庶民の口に入るようになったのは、そのころからです。
 当時の主なルートとしては北海道から北陸。そしてそこからは陸路で鯖街道を通って京→大坂まで運ばれていました。

そして江戸時代になると、海上交通がさかんになり それまで波が高く、船での移動の難しかった太平洋側にも航路が開かれたのでした。

また江戸時代には、主に北前船とよばれる船を使い、下関から瀬戸内海を通る西廻り航路で、「天下の台所」大阪まで運ばれるようになりました。
 そして昆布ロードは江戸から四国へと通る東廻り航路と、九州へ通る西廻り航路が発達していき

九州から琉球王国(沖縄県)、清(中国)へとのびていきました。 その時代、琉球王国は薩摩藩(鹿児島県)と清との昆布貿易の中継地として、重要な役割を果たしていました。

これが沖縄で昆布が広まった理由です。古くから薩摩、清との貿易が盛んだった、まさにアジアと日本をつなぐハブである沖縄らしい昆布の広まり方でした。 昆布は沖縄料理の主役ではありませんが沖縄料理を食べながら昆布をみて琉球貿易の歴史と昆布ロードの歴史を感じてみて下さい。